シロアリ駆除について調べると、「ベイト工法」と「バリア工法(ケミカル工法)」という言葉をよく目にします。これらの方法にはどのような違いがあるのでしょうか?
ベイト工法とバリア工法の違いは?
最近では、「ベイト工法」にセントリコンという技術を使用するケースが増えてきました。一方、「バリア工法」は、ケミカル工法や薬剤塗布とも呼ばれる、従来からある施工方法です。
ベイト工法(セントリコン) | バリア工法(薬剤塗布) | |
---|---|---|
効果 | 巣(コロニー)の根絶 | 侵入を防ぐ |
使用薬剤 | 昆虫成長抑制剤(IGR) ※昆虫が脱皮を出来なくする薬剤 ※遅効性の薬剤 | ピレスロイド、カーバメイト、有機リン系の薬剤 ※即効性の薬剤 |
仕組み | いわゆる毒エサです。 エサを仲間に分け与えるシロアリの習性を使って巣に持ち帰らせ、根絶が可能。 ※脱皮が出来なくなるとシロアリは死に絶えます。 | 木材に穴を開け薬剤を注入したり、土壌などに散布したりします。 ※木部処理、土壌処理とも言われます。 |
ニオイ | 無臭 | 化学的なニオイがします。 |
有効期間 | 1年に1~2回ほど定期検査が必要な場合がある。 | 約5年間 |
人間やペット、植物への影響 | 赤ちゃんが食べても問題無く、安全な薬剤 | 揮発性が高いものもあり、使用量や使い方に注意が必要。 ペットが誤飲すると危険なケースも有り。 |
費用 | バリア工法よりも割高 | 従来からある工法で、ベイト工法よりも安い |
シロアリ駆除には「ベイト工法(セントリコン)」と「バリア工法(薬剤塗布)」があります。以下の表で、これらの工法の違いを詳しく比較してみましょう。
項目 | ベイト工法(セントリコン) | バリア工法(薬剤塗布) |
---|---|---|
効果 | 巣(コロニー)の根絶 | 侵入を防ぐ |
使用薬剤 | 昆虫成長抑制剤(IGR) ※昆虫が脱皮できなくする薬剤 ※遅効性の薬剤 | ピレスロイド、カーバメイト、有機リン系の薬剤 ※即効性の薬剤 |
仕組み | 毒エサを使用。 エサを仲間に分け与えるシロアリの習性を利用し、巣に持ち帰らせて根絶。 ※脱皮ができなくなるとシロアリは死滅。 | 木材に穴を開け薬剤を注入、または土壌に散布。 ※木部処理、土壌処理とも呼ばれる。 |
ニオイ | 無臭 | 化学的なニオイがある |
有効期間 | 1年に1~2回の定期検査が必要な場合あり | 約5年間 |
人間やペット、植物への影響 | 安全な薬剤で、赤ちゃんが誤って口にしても問題なし | 揮発性が高く、使用量や使い方に注意が必要。 ペットが誤飲すると危険な場合あり。 |
費用 | バリア工法よりも割高 | 従来の工法で、ベイト工法よりも安価 |
「バリア工法」は、その名の通り、シロアリの侵入を防ぐためのバリアを作る役割があります。
しかし、人間やペットに影響を及ぼす可能性があるため、素人が安易に使用すると危険な場合があります。
このため、バリア工法を行う際には、専門の業者に依頼することが重要です。
ベイト工法のセントリコンとは?
ベイト工法の一つである「セントリコン」とは、一体どのようなものでしょうか?
「セントリコン」とは、今後のスタンダードになると言われているシロアリ駆除方法です。
セントリコンは、最小限の薬剤量でシロアリのコロニー(巣)そのものを駆除することができる画期的なシステムです。シロアリの習性を利用し、環境への薬剤の放出を最低限に抑えた安全性に優れた方法です。
セントリコンを取り扱う施工防除業者(認定オペレーター)は、厳しい審査基準に合格した会社のみです。
セントリコンは哺乳類や魚類等に対する毒性が低く、作業者、居住者、ペット、環境への高い安全性を実現しています。
セントリコンは、脱皮ができる昆虫に対してのみ有効です。
最新の技術で、導入している業者も増えています。料金がやや割高な点がデメリットとされていますが、費用対効果は非常に高いと言えます。
バリア工法のメリットとデメリットは?
【メリット】
- 価格が安い: 他の方法に比べてコストが抑えられます。
- 効き目に即効性がある: 速やかにシロアリを駆除できます。
- 駆除後のシロアリの再侵入を防ぐ: シロアリが再び侵入するのを防ぐ効果があります。
【デメリット】
- ニオイがある: 使用する薬剤に特有の化学的なニオイがあります。
- 人間やペットに有害な可能性がある: 薬剤の取り扱いには注意が必要で、誤使用すると健康に影響を及ぼす可能性があります。
- 根絶できていない可能性がある: バリア工法だけでは、シロアリの巣を完全に根絶できない場合があります。
従来から使用されてきた工法で、即効性がある点が特徴ですが、その反面、人間やペットにも影響を及ぼす可能性があるため、使用する際には専門知識を持った業者に依頼することが重要です。
調査の結果、シロアリが未発生の場合は「バリア工法」のみで十分です。
しかし、シロアリがすでに発生している場合には、まず「ベイト工法」でシロアリを根絶し、その後に「バリア工法」を行うのが効果的です。
まとめ
「ベイト工法」と「バリア工法」の違いについてまとめましたが、それぞれに役割があるため、どちらが良いというのは一概には言えません。
専門業者が現場を確認し、状況に応じて最適な方法を選択します。必要であれば、両方の工法を併用することもあります。