アリに羽が生えることをご存知ですか?
公園などでよく見かける羽のないアリは、働きアリです。そのため羽は必要ありません。
アリには女王アリ以外にも役割があり、それぞれの役割に応じて特徴や形が異なります。
今回は、シロアリと羽アリの違いについて解説します。
シロアリにも羽アリがいる?
シロアリの巣(コロニー)には、主に5つの階級があり、それぞれの役割に応じた体形をしています。シロアリの階級は以下の通りです。
- 女王アリ
- 副女王アリ
- ニンフ(羽アリ)
- 兵隊アリ
- 働きアリ
下位層に行くほど数が多くなります。次に、それぞれの役割について見ていきましょう。
女王アリ
大きな卵巣を持ち、王アリと交尾して産卵し続ける役割です。
副女王アリ
女王や王が病気などで死んだ時に、代わりに女王となる予備軍です。
ニンフ(羽アリ)
王女が産んだ卵や幼虫にエサを与えるなど、世話をする役割です。通常は生存率を上げるため、外に出ることはほとんどありません。
兵隊アリ
巣が何者かに襲われた時に、戦ったり防衛する役割です。
働きアリ
コロニーの大半を占め、食べ物の調達や巣の維持・管理を行う役割です。
ニンフはシロアリの羽アリ
ニンフは、コロニーの規模がある程度大きくなると、脱皮して羽アリとなり、分巣のために巣立ちます。シロアリの種類によって時期は異なりますが、その時期になると大量に羽化して飛び立ちます。これを群飛移動といいます。
一般的に言う羽アリとは?
シロアリのニンフも羽アリですが、一般的に「羽アリ」と言う場合、全てのアリの羽が生えた状態を指します。公園でよく見かける黒アリの羽アリもその一例です。
シロアリの羽アリは大量発生して一気に移動するため、自宅で羽アリを見かけても、それが必ずしもシロアリの羽アリとは限りません。黒アリの羽アリや他の羽の付いた虫である可能性もありますので、まずは落ち着いて見極めることが重要です。
次に、シロアリと黒アリの羽アリの見分け方について動画などで解説します。
シロアリと黒アリの羽アリの違い
自宅で羽アリを発見したとき、「これはシロアリでは?」と慌てないように、シロアリと黒アリの羽アリの違いを覚えておきましょう。
シロアリで日本家屋に被害をもたらすのは、主に3種類です。その中でも被害の大半を占めるのは「ヤマトシロアリ」と「イエシロアリ」です。
これらのシロアリは大量に発生し、一匹の大きさは指の第一関節くらいです。では、シロアリと黒アリの羽アリの違いを動画で確認してみましょう。
「ヤマトシロアリの羽アリ」
イエシロアリの羽アリ
「ヤマトシロアリ」は黒っぽく、シルエットも細長いのに対して、「イエシロアリ」は白っぽく、羽も大きく広がっています。
「ヤマトシロアリ」と「イエシロアリ」の違いはかなり見分けやすいと思いますが、黒アリの羽アリはどうでしょうか?
「黒アリの羽アリ」と「シロアリの羽アリ」は、よく見ると体形も全く違います。黒アリの方が胸や腹が大きく、羽も小さく透明です。触覚も「く」の字になっており、シロアリとは異なります。このため、シロアリと黒アリの見分けは比較的簡単です。
今回はシロアリと黒アリの羽アリの違いについて見てきましたが、羽がついたアリを見て焦らないようにしましょう。
見た目の違いがわかっても、小さくて見えにくい場合もあります。特にご年配の方には確認が難しいこともありますので、迷ったときは専門業者に相談することをおすすめします。