シロアリ駆除の施工方法として、一般的に行われるのが「ケミカル工法」です。この方法では薬剤を散布し、シロアリを駆除し、侵入を防ぐ効果があります。しかし、薬剤の人体への影響が心配になることもあります。特に妊婦さんや小さな子供がいる家庭、またはペットを飼っている家庭では、その安全性が気になるところです。
そこで今回は、シロアリ駆除に使用される薬剤の安全性についてご紹介いたします。安心して施工を依頼できる業者も併せてご紹介いたしますので、ぜひ参考にしてください。
シロアリ駆除で使用する薬剤について
シロアリ駆除に使用される薬剤には、さまざまな成分が含まれています。ここでは、その代表的な成分と特徴についてご紹介します。
ピレスロイド系薬剤
ピレスロイド系薬剤は、殺虫剤として広く使用されている成分です。蚊取り線香にも含まれており、即効性があるのが特徴です。蚊取り線香の煙に触れた蚊がすぐに地面に落ちるのは、このピレスロイドのおかげです。
ピレスロイドは神経毒であり、昆虫類、両生類、爬虫類の神経細胞に強い効果を発揮します。しかし、哺乳類や鳥類に対する影響はほとんどありません。蚊取り線香の煙にあたっても人間には問題がないのがその証拠です。
ただし、ピレスロイドがまったく無害というわけではありません。大量に吸い込んだり、アレルギー体質の方の場合、喘息を引き起こすことがあります。そのため、使用する際には十分な注意が必要です。
カーバメート系薬剤
カーバメート系薬剤は、非常に高い殺傷能力を持つ殺虫剤です。その特徴は、光や熱に強く、農薬や除草剤としても使用されていることです。
しかし、人間への毒性もやや高く、揮発性があるため、室内で使用する際はしっかりと換気を行う必要があります。
シロアリ駆除に使用されるカーバメート系の殺虫剤は、これらのリスクを防ぐためにカプセル化されていることが多いです。それでも、小さな子供やペットが誤飲する危険性があるため、取り扱いには十分な注意が必要です。
ネオニコチノイド系殺虫剤について
ネオニコチノイド系殺虫剤は、その安全性と自然環境への優しい特性から、世界中で最も広く使用されている殺虫剤成分です。昆虫にのみ効果があり、持続性もあるため、安心して使用できます。
しかし、有機リン系の成分と併用すると人体への影響が懸念されるため、使用の際には十分な注意が必要です。特に、小さな子供や赤ちゃんのいる環境では、ネオニコチノイド系殺虫剤を単独で使用することをお勧めします。
フェニルピラゾール系殺虫剤について
フェニルピラゾール系殺虫剤は、少量で高い殺虫力を持ち、特にシロアリに対して緩やかに作用する成分です。この遅効性の殺虫成分は、シロアリの巣全体に対して高い効果を発揮します。
しかし、人間やペットに対しても高い毒性があるため、使用する際には十分な注意が必要です。人畜や魚類にも毒性が高いため、正しい用法と用量を守ることが重要です。
フェニルピロール系殺虫剤について
フェニルピロール系殺虫剤は、昆虫の細胞を飢餓状態にすることで効果を発揮します。この成分はシロアリの呼吸障害を引き起こし、退治する働きがあります。細胞に変化をもたらすため毒性が高く、特に妊婦さんや乳児、ペットのいる環境で使用する際には、細心の注意が必要です。
ホウ素化合物について
ホウ素化合物は「ホウ素」として広く知られる成分で、ゴキブリやシロアリなど腎臓を持たない生物に効果を発揮します。これらの生物は体内でホウ酸塩を処理できないため、エネルギー代謝が停止し、退治されます。
人間などの哺乳類はホウ素を摂取しても体内で処理し、尿として排出するため、安全な成分として知られています。このため、目薬などにも使用されています。ただし、大量に摂取すると問題が生じるため、小さな子供やペットが大量に摂取しないよう、使用量には注意が必要です。
ヒノキチオールについて
ヒノキチオールは、化粧品などにも使用される成分で、シロアリに対して忌避効果があります。
(※忌避効果とは、シロアリが嫌う成分のことで、実際の殺虫効果は低いです。)
この成分は木材由来の良い香りがし、人体には影響がないため、主にシロアリの予防剤として使用されます。駆除効果はありませんが、シロアリを寄せ付けないための効果的な手段として利用されています。
「日本しろあり対策協会」認定薬剤とは?
シロアリ駆除業者のホームページで「日本しろあり対策協会」認定薬剤を使用しているとの表記をよく見かけますが、これはどういうものでしょうか?
「日本しろあり対策協会」とは、木造建築物のシロアリ被害および腐朽を防止する目的で、国土交通大臣の許可を得て結成された公益社団法人です。50年以上の歴史を持つ信頼できる団体です。
通常、防蟻・防腐剤の有効成分は「化学物質審査および製造等の規制に関する法律」に基づいて規制されていますが、製剤に関しては規制対象外です。そこで、日本しろあり対策協会は、防蟻・防腐剤の効力や安全性を評価し、認定を行っています。これにより、消費者や作業者が安心して使用できる薬剤の普及に努めています。
簡単に言えば、「日本しろあり対策協会」の認定を受けている薬剤を使用している業者は、信頼性の高い優良企業と言えます。
また、この協会が指定する駆除の工法を採用している業者も、安心して依頼できる会社です。
業者を選ぶ際には、使用薬剤や工法に関する情報がホームページに記載されているかを確認しましょう。
記載がない場合やホームページがない業者については、見積もりの際にどのような施工方法や薬剤を使用するのかを詳しく説明できる業者を選ぶようにしましょう。
子供へのアレルギーの影響について
使用薬剤の成分を詳しく見ると、完全に安全な薬剤は存在しないと言えます。安全性の高い薬剤であっても、大量摂取や乳児、妊婦さん、喘息やアレルギー体質の方には影響がある場合があります。そのため、子供へのアレルギーへの影響はあるのかという問いに対しては、「はい」となります。
しかし、最近では人体への影響が少ないとされる「ベイト工法」という新しい工法を採用している業者も増えており、安全性は昔に比べて向上しています。
お子様のアレルギーや健康への影響を心配されている方には、「シロアリ110番」さんをご紹介いたします。最新の安全な工法を採用しており、安心してご利用いただけます。詳細は公式ホームページでご確認ください。